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【初級】『日本銀行と金利』について | 日本経済の仕組みを深掘り

小中学生からも学ぶ”日本銀行”の役割、みなさんは十分に理解できていますか?

この「日本銀行」がする判断・施策は日本経済だけでなく世界経済を動かします。今回は、日本銀行と金利に焦点を絞って解説します!

日本銀行とは?

日本銀行は、日本の中央銀行とも言われるお金の司令塔です。大きな国のお金に関するルールや政策を考える場所で、経済をコントロールする役目があります。

「日本銀行」について詳しく知りたい方は↓

【超初級】『日本銀行』の役割について

日本銀行と金利の関係性

日本銀行がどうやって経済をコントロールしているのか?その大きな要因が金利の操作です。

日本銀行は、経済状況を把握し吟味した上で政策金利を決めます。そして、政策金利に基いて金利を変動させることでお金の流れや経済のリズムを左右させます。

政策金利とは、

  • 誘導目標としている金利
  • 中央銀行が一般の銀行に貸し付ける際の金利

経済状況に応じた政策金利

《景気が悪いとき →  金利を下げる》

金融機関は日銀から低い金利で資金を調達できるので、企業や個人に対する資金の貸出金利が低くなってお金が個人消費や設備投資に回りやすくなる。

その結果、経済活動が活発になり、景気が上昇
これに伴い、物価は上昇する傾向

《景気が良いとき → 金利を上げる》

金利が高いと金融機関は資金を調達しにくくなるため、企業や個人に対する貸出金利も高くなりお金が回りにくくなる。

その結果、景気過熱が抑えられる
これに伴い、物価は停滞もしくは低下傾向

日本銀行の施策と狙い

近年日本銀行が行っている施策、例えば「マイナス金利」とか「量的・質的金融緩和」とか少し難しそうですよね。

しかしこれらも全て金利をどれくらいにするかお金をどれくらい出回らせるかということを調整しています。下記では日本銀行の金融政策を、時代背景や経済状況と絡めながら年代順に解説していきます。

1. 量的・質的金融緩和(2000年代)

日本銀行が、国債や証券を購入することでお金を市場に供給し、金利を下げて企業の投資や消費を奨励しました。

2000年代のリーマンショックをはじめとする金融危機によって、経済が大きな打撃を受けました。そのため日本銀行が導入したのが「量的・質的金融緩和

2. マイナス金利政策(2016年)

民間の金融機関が日銀にお金を預けると、預けた側(民間金融機関)が金利を支払わなければならない政策。端的にいうと「日銀に預けず、市場に出して回せ。さもなくばお金を取る」

2016年、日本経済は少し元気がなく、物価の上昇も緩やかだったため、日本銀行は「マイナス金利政策」を導入。大きな目的は、デフレ脱却

3.長期国債の買い入れ(2010年代後半〜現在)

日本銀行が、長期国債を買い入れることで市場にお金を供給し、金利を下げる狙いがあります。住宅ローンや融資などの金利も下げ、個人や企業の消費・投資を後押し経済を活性化させようとしています。

3. イールドカーブコントロール(2016年以降

別名「長短金利操作」と呼ばれ、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度で推移するよう短期から長期までの金利全体の動きをコントロールすること

日本銀行は、イールドカーブを操作することで長期金利を低く保ちつつ、より一層お金を借りやすくして経済を活発化させようとしています。

4. インフレ目標の設定(現在)

日本銀行は「2%のインフレ目標」を掲げています。

これは物価の上昇を目指すもので、物価の上昇は消費を促進し、経済を活性化させる効果があります。デフレの影響を払拭し、持続的な経済成長を目指す狙いです。

まとめ

日本銀行は、お金の司令塔で、金利の操作を通じて経済のリズムを調整しています。

尚更、円安が続く現在は日本銀行の政策が非常に注目されています。これからの日本経済を考える上でも非常に重要な観点ですね。

次はより具体的に、日銀が行う金融政策と円安・円高の関係性について考えていきましょう!