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【基本】「複利”と”単利”について」 |  複利の恐ろしさを知ろう

前記事では、利息と利率について学びましたが、今回は複利と単利に焦点を当てます。

まずは複利と単利って一体何のこと?という疑問から解決しましょう。次いでお金の使い方・使われ方には大きな違いがあることを理解した上、具体的な数字や実生活での使われ方についても触れ理解を深めていきましょう!

複利と単利って…?

金利には、2種類あることをみなさんは知っていましたか?実はこの二つの違いが、利息にも大きく差を生みます。堅実にお金を管理するためにも、まずは理解したい2つです。

複利:元本に加えて、利息が加算された金額に対しても利息が発生する仕組み。利息が雪だるま式に増えていくため、成長が急速に加速します。

単利:最初に預けてた元本にだけ、一定の割合でつく利息。利息は一定で増えず、成長が比較的緩やかです。

複利と単利の違い(実数値)

100万円を10%の年利率で10年間預けた場合、複利と単利ではどのくらい違うのかを見ていきましょう。

複利の計算

年利率10%の場合、元本に10%を加えた110万円が次の年の元本となります。2年目は110万円に再び10%の利息が加わり、121万円となります。これが10年間続きます。

  • 1年目の利息:100万円 × 10% = 10万円

1年目の累計利息:10万円

  • 2年目の利息:(100万円 + 10万円) × 10% = 11万円

2年目の累計利息:10万円 + 11万円 = 21万円

… 以降、同様に計算を続けると

  10年目 約259万(元本100万円 + 累計利息159万円

単利の計算

年利率10%の場合、元本に10%を10回かけたものが最終的な金額となります。

  • 1年目:100万円 + 10%の利息 = 110万円

 累計利息 10万円

  • 2年目:100万円 + 10%の利息 = 110万円

 累計利息 10万円+10万円=20万円

  • 3年目:100万円 + 10%の利息 = 110万円

 累計利息 10万円+10万円+10万円=30万円

…以降、同様に計算を続けると

  • 10年目:200万円(元本100万円 + 累計利息100万円

複利と単利の差額

10年後の複利は累計利息159万円に対し、単利は100万円です。

差額:59万円

複利の方が単利よりも約1.5倍も増えています!このように複利は成長が非常に急速で、時間が経つにつれて利益が大きくなっていくことがわかります。

実生活でどこに使われているの?

複利と単利は、投資や銀行預金、退職金、長期国債などさまざまな場面で活用されます。読者の皆さんの生活の一部になっている項目もあるかと思いますので、理解を深めていきましょう。

以下複利と単利を項目別に紹介していきます。

複利の実生活での使われ方

投資

投資は一般的に複利の効果が大きく発揮される場です。投資信託・株など投資にも種類があり、種類や銘柄によって金利は変化します。投資商品の利息が成長していくため、将来的な資産の増加を期待できます。

具体的に知りたい方は↓

①【超初級】『預金と投資と債権』

②【初級】投資信託の基本と選び方

 

銀行預金

実はみなさんが行っている銀行預金にも複利の利息が発生しています。しかし、日本の大手銀行では定期預金の利率が0.01%~0.05%程度、普通預金の利率は0.001%~0.02%程度と、投資と比べると金利が低い傾向にあります。

単利の実生活での使われ方

ローン

一般的にはローンの利息計算は単利が使われることが多いです。例に出すと個人向けローンや住宅ローンなど

ただし、一部の特殊なローンや金融商品では複利が使われることもあります。特に、長期の大きな金額の借り入れや投資に関連したローンなどでは、複利が考慮されることがあります。

債権

債権の利息は通常単利の仕組みで計算されます。国債としても知られる国の発行する債務証券はその一例です。国債は一定期間ごとに利息を受け取ることができるため、安定した収入の確保に活用されます。

※次回記事で、債権と投資についてメインで触れていきます。

「預金と投資、債権」については↓

【超初級】『預金と投資と債権』 | それぞれの特徴と選ぶポイント

複利で借金をすることの恐ろしさ(最重要)

これまではお金を貸す場合の複利のメリットについて紹介してきたかと思います。しかし、実際メリット以上に理解していただきたいのが、複利のデメリットです。

Q.100万円を金利18%の複利でお金を借りたとします。それを放っておいたとして、返済額が2倍になるのは何年後でしょうか?

A.4年後

表面計算上、4年後には借金総額が228万円になります。

年利18%にイメージがわかない方もいらっしゃるかもれませんが、皆さんが使用しているクレジットカードの分割払いやリボ払いの年利率を見ていただけると近い数字になっているかと思います。(より詳しく知りたい方は↓)

【基本】「リボ払い」の恐ろしさ | 金利の相場を知り、賢い資産運用を

借りすぎると収拾がつかなくなるということは理解していただけたでしょうか。複利は、効果的な反面危険な一面を持ちます。十二分に理解し、安全な距離感を保つことが大切になります。

複利の1%の差が、数年後には大きな差となる

まとめ

複利と単利はお金の成長に大きな違いがあります。複利は利息が増えていくため効率的に資産を増やすことができますが、単利は一定の利息しか付かないため成長が緩やかです。

もしお金を借りる場合、複利で大金を借りると恐ろしいほどにお金を支払わなければいけません。定額返済しても、借金が減少しないのはこのためですね。

複利の恐ろしさを再確認し、適切な場面で複利と単利を使い分けることで、より賢いお金の運用が可能になります。

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