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【超基本】『円安と円高』の影響 | 経済変化を理解しよう

経済の中でよく耳にする「円安」と「円高」。これらは通貨価値の変動により影響を及ぼす現象です。

この記事では、円とドルの関係から輸入と輸出の変化、そして経済への影響についてわかりやすくまとめてみましょう。

円安と円高とは?

「円高」と「円安」は、主に日本の通貨である円(JPY)と他の通貨、一般的にはアメリカの通貨であるドル(USD)との関係について述べる際に使われます。

円安とは、1ドルあたりの円の価値が下がる状況を。逆に円高は、1ドルあたりの円の価値が上がる状況を指します。

円高も円安も言葉の主体はドル(他の通貨)です。

・ドル(他の通貨)から見て安い = 円安

・ドル(他の通貨)から見て高い = 円高

円安の経済的影響

今日現在(2024/02/28)、円安が高い位置で持続されています。経済への影響から国民一人1人における影響を理解し、経済の流れを把握しましょう。

1. 輸出業界への影響

円安は、日本の輸出品が海外市場で安くなります。お店の商品が安くなると、たくさんの人が買いに来て、お店の売り上げがアップします。輸出業界も同じで、円安になると外国の人たちが日本の商品を買いやすくなり、輸出量が増加します。

輸出増加: 価格が下がるため、需要が高まり、輸出が増加

企業収益向上: 輸出拡大により、企業の収益が向上する可能性

2. 輸入業界への影響

一方、輸入品は円安だと深刻です。海外へお土産を買いに行くとき、円安だと外国の商品が高くなり買いにくくなることと同様で、輸入品の価格も上がり輸入しにくい状況となります。

原材料価格上昇: 輸入品の価格上昇が原材料費を押し上げ、コスト増となる可能性があります。

高い製品価格: 輸入品の価格上昇が製品価格に反映され、国内消費者に負担をかけ購買欲を低下させます。

3. 物価変動への影響

  • 円安が進むと、日本円が外国通貨に対して価値が下がるため、外国からの商品や原材料の価格が上昇。

  • よって、日本国内全体の物価が高騰する可能性が高い(インフレーション。原材料を外国から輸入している場合、円安が進むとその原材料を使用する商品全般が価格高騰を起こし、経済全体の物価を押し上げるような流れとなります。

物価上昇(インフレーション): 輸入品の価格上昇が国内の物価を押し上げ、インフレ圧力をもたらすことがあります。

円高の経済的影響

1. 輸出業界への影響

円高では基本円安の逆の現象が起きます。日本の輸出品は海外市場で高くなることで需要が減少し、輸出業界が厳しい状況に陥る可能性があります。

輸出減少: 高い価格により需要が減少し、輸出が低迷する可能性。

企業収益減少: 輸出減少により、企業の収益が悪化する可能性。

2. 輸入業界への影響

円高になると輸入品は安くなります。海外輸入品を原材料とする製品は、価格低下により購入しやすくなり、企業にとっても消費者にとっても良い状態となります。

しかし、輸入割合が増加すると国内自給率が低下し国内一次産業者が苦しくなる一面もあります。一概に、円高は輸入に良い!とは言えないことも理解しておきましょう。

低い原材料価格: 輸入品の価格低下が原材料費を抑制し、コスト削減に寄与する可能性。

消費者への恩恵: 輸入品の価格低下が製品価格に反映され、国内消費者にとって利益となることがある。

3. 物価変動への影響

円高になると、外国通貨が日本円に対して価格が下がるため、外国からの商品や原材料の価格が下落します。そのため日本国内の物価は下落する傾向があります。(デフレーション

・消費者は物価が下がることを予期して購買を控える

・企業は価格競争の中で収益を確保しにくくなる。

・結果として内需が低下し、経済全体の活気が減少

消費者や企業が物価が下がることを予期し、将来の支出や投資を控えることで、景気低迷が深刻化(デフレスパイラル

円の現状(2023/08/17)

円高と円安及びその影響について学んだところで、日本円の現状について考えてみましょう。

2023/08/18の円相場は、1ドル=145円円安と言われております。下は横軸を近5年・縦軸をドル/円のグラフですが、2022年あたりから急激な円安が進んでおり未だ維持していることがわかりますね。

↓ ということは理論上

  • 輸出が好調
  • 輸入が不調(輸入価格の高騰)
  • 物価が高騰(インフレ)

実際に

2022/12/08一般社団法人日本貿易会の「2023年度わが国貿易収支、経常収支の見通し~輸出入とも高水準、貿易収支は赤字継続、経常収支黒字は持ち直し~」にて

→2022年は、1979年以降最高額となる輸出総額・対2021年比33%増となる輸入額

内閣府政策統括官(経済財政分析担当)が出した「日本経済2022-2023– 物価上昇下の本格的な成長に向けて - 説明資料」には、

→2022年は、40年ぶりの高い物価上昇

また②の資料には下記も記載されている。

物価上昇は輸入物価上昇を背景としており、国内需給や賃金による上昇圧力は限定的」

↓つまり

物価は上昇しているが、給料の上昇など景気回復による影響とは言い難い(スタグフレーション)状態

上記のような好調とは言えない日本経済を裏から支え動かしているのが”日本銀行”です。関連させながら覚えていきましょう。

【初級】『日本銀行と金利』について | 日本銀行の施策で日本経済は大きく変わる?!

まとめ

円安と円高の為替変動は、日本の経済に大きな影響を及ぼします。

輸出と輸入の変化から、経済成長や物価の動向に至るまで、多くの要素が絡み合っています。特に今は円安が凄まじいですよね。

これからの経済状況をより深く理解するためにも、今回の内容を基礎として学んでいきましょう!