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 日経平均とTOPIXが史上最高値を更新し続けているのはなぜ?! | 要因と背景を初心者向けに簡潔に解説

2024年に入り、日本市場の大きな経済指標とされる”日経平均株価”と”TOPIX”が次々と史上最高値を更新しています。この急上昇の背景には日本株への需要増加がありますが、その背景にはどんな要因があるのか?私たちの生活に好影響が感じられないのは何故か?など、投資初心者やこれから学ぶ人にもわかりやすく解説します。

日本株需要増 4つの要因

日本株の需要増加には様々な影響がありますが、その中でも重要度の高い4点を下記にまとめます。4つの要因もそれぞれが関連しているため、結びつけながら理解していきましょう。

  1. 円安の長期化
  2. 日本企業の着実な回復と期待感
  3. 日本銀行の低金利政策継続
  4. アメリカ及び中国経済の影響

円安の長期化

円安による株価の影響は、大きく⑴日本企業の輸出好調による業績アップ日本株における”安い印象”の2点が挙げられます。

⑴円安は、輸出企業にとって好状況。日本の物が”安い”状況にあるため、海外企業などから需要が増加することで企業収益も増加。

⑵円安により日本株が投資家から”相対的に安い”という印象を生み、購入障壁が低い。

 円安についてより詳しく知りたい方は↓

 【超初級】 円安と円高の影響-経済変化を理解しよう

日本企業の動向と期待感

①に挙げた輸出による業績回復のような収益的努力だけでなく、市場の評価を意識した改革への期待が株価上昇の要因と指摘されています。

背景には東京証券取引所が資本コストや株価を意識した経営に取り組むよう企業に求めていることがあり、株高の局面にもかかわらず株主への還元策として「自社株買い」などを打ち出す企業も相次いでいます。

自社株買いとは?】
企業が自分自身の発行した株式を保有することを指します。具体的には,企業が市場から自社の株式を買い戻し、自己保有することを意味します。
株の価値が高まるなど株主にとって魅力的な投資先となる

日本銀行の低金利政策継続

日本銀行が方向性を決定する金融政策への安心感も好調な相場を支える要因となっています。

日本銀行は新体制の植田総裁を迎え、今年3月には”ゼロ金利政策”を解除すると言う方向性を示したため株安になるのではと言う懸念がみられたが、「金融緩和は継続する」と言う意図を含んだ発言を総裁・副総裁ともにしたことで投資家の安心感を生み株高の進行が加速しました。

先んじて理解していただきたいのは 《低金利→株高になりやすい》
→低金利だと企業がお金を借りやすくなり、事業投資等に資金を投入できる。よって事業拡大などから収益を増大及び景気向上へ繋がり、株高になる

アメリカ及び中国経済の影響

日本の株高には、2大国の経済状況にも大きな影響を受けています。

アメリカ

世界の経済動向及び株価動向に影響を与えるアメリカの堅調な経済&企業業績の好調により、ニューヨーク市場のダウ平均株価が史上最高値を更新。
→伴い、東京市場でも関連業種の株価が上昇

中国

かつて飛ぶ鳥を落とす勢いであった中国経済も、コロナウイルスの影響に始まり経済の牽引役としていた不動産市場の不調により景気が停滞。
→投資家離れが進み、その分同じアジア市場として日本株に流入

なぜ、生活は良くなっていない??

株高が我々国民の生活に直接的に好影響を与えることはないからです。日本市場の現状や期待により株価が上昇しているならば、そこを加速材として日本企業が一層の成長をして初めて私たちの生活が潤い始めます。

実際円安により輸出企業は利益を上げましたが、輸入企業や中小企業は原材料費の高騰に苦しんでいたり、他方では実質賃金の減少や倒産企業の増加など、国民の生活水準の低下が見られている現状は続いております。

まとめ

日経平均株価の最高値更新は、日本経済に対する期待感を反映していますが、同時に国民生活の課題も浮き彫りにしています。

経済成長と国民生活のバランスを取るための対策が求められています。