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【日本経済の転換点か!?】 日銀が政策金利を0.25%利上げ決定した背景と狙い

日銀は31日まで開いた金融政策決定会合で政策金利を0.25%まで引き上げることを決定しました。本記事では、日銀が政策金利を引き上げた背景と狙い、今後の影響について簡潔に解説していきます。

政策金利を0.25%へ引上げ

31日まで行われた金融政策決定会合で日銀(日本銀行)が決定した重要ポイントは2点
※本記事では、影響が出やすい①について解説していきます。

  • 政策金利を0〜0.1%から、0.25%へ
  • 国債買い入れを減額へ

0.25%程度という政策金利の水準は、リーマンショック直後の利下げ局面で政策金利を0.3%前後としていた2008年12月以来

利上げの背景は?

日銀が利上げに踏み切った要因は多様に考えられますが、今回は簡潔に重要ポイントのみ理解していただくため代表的なものを記載していきます。

円安による物価高→個人消費の低下懸念

新型コロナウイルスによる経済的影響から円安に悩まされてきた日本。その円安により物価高にも大きな影響が→個人消費活動が低下する懸念が一層大きくなってきたことが要因の一つだと考えられる。

デフレに悩まされてきた日本ですが、物価が上振れするリスクには懸念が生まれます。

政府の後押しや利上げタイミング

7月に入って政府・与党の幹部の間から日銀の利上げを容認する発言が相次いだことやその影響で外国為替市場で円高が進んだことも日銀が今回利上げに踏み切った要因の1つとして考えられます。

「利上げに踏み切れない日銀」というレッテルへの懸念もあったのではと言われています。

《日銀や金利との関係については↓》

利上げによる私たちへの影響は…

今回の発表で本格的に”金利のある世界”へ戻ってきた日本。
10年もの間ゼロ金利政策のもと暮らしてきた私たちには馴染みが薄いですが、私生活にも影響が出てきます。

《重要ポイント》

  • 銀行など預金金利がアップ
  • 住宅ローン金利がアップ
  • 為替変動

銀行など預金金利がアップ

日銀の政策金利引き上げに伴い、3大メガバンク(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行)が普通預金金利を5倍の0.1%へ利上げを発表しています。また、大手地銀各行もメガバンクに追随する形で0.1%へ利上げを発表。
これは2008年11月以来およそ16年ぶりの水準となります。

まだまだ微々たるものですが、徐々に預金にてお金が増える実感が出てくる数字となってきました。

住宅ローン金利のアップ

今回の政策金利引き上げにより大きな影響を受けるのが、変動金利によって住宅ローン返済を行なっている方です。

一般的に、変動金利は日銀の政策金利の影響を受ける「短期金利」を元に決められます。一方、固定金利は10年物国債の金利に代表される「長期金利」などを元に決められます。
そのため今回日銀が短期金利目標を0.25%まで引き上げたことで、今後住宅ローン金利も上昇し返済負担が増す可能性があります。

為替変動

今回の利上げに伴い、円高が加速しています。

お金は、常に有利な投資先・運用先へ流れます。
日本円の金利が高く、米国ドルの金利が低いという場合をあげてみると、人々はより有利な金利を求めて米国ドルの資産の比率を減らして、日本円の資産の比率を増やそうとする。
これにより金利の高い円へ買いが増加し、為替は「円高ドル安」となる。

今回の政策金利引き上げはもちろんですが、日銀の長期的な利上げ意思やFRBの利下げ予想なども相まって大きく円高が進んでいます。

日銀 今後の動向

日銀植田総裁の発言から、今後も徐々に政策金利を引き上げていく見方がされています。

どの程度の利上げで、その程度経済に影響が出るのか、私たちの生活にどんな影響があるのかなど、日銀の動きなどを踏まえ注目していく必要があります。